第369章 つま先のダンスは死ぬほどロマンチック

林澈がよろめいて、転びそうになった。

幸い顧靖澤が林澈をつかまえたので、転ばずに済んだが、林澈は一瞬死ぬかと思った。

周りの人々を見ると、二人が止まったのを見て、好奇心に満ちた視線が集まってきた。

林澈は心の中で呆れて思った。もう死んだも同然、恥ずかしくて死にそう。

ダンスの最中にヒールが取れるなんて、しかもこんなに大勢の前で。

彼女は突然思い出した。さっき陸初夏とぶつかった時、自分は大丈夫だったけど、おそらくその時、ヒールが陸初夏の上に踏みつけられて壊れ、緩んでいることに気づかなかったのだ。そして今になって完全に壊れてしまった。

林澈は嘆きながら言った。「やばい、どうしよう。」

顧靖澤は眉をひそめ、林澈を見て、そして周りの人々を見た。

林澈は言った。「早く行こう、マジでやばいよ。」