林澈は目つきを変え、「小さい頃からの親友よ」と言った。
「そうなんですか。澈さんは綺麗だから、周りの人もみんな綺麗なんですね」
林澈は微笑んで、「そうね、あなたも綺麗よ」と言った。
「そんなことないです」
「どうしてないの?あなたも私の周りの人だもの、綺麗よ」
顧靖予は食事に戻ってきただけで、またすぐに出て行った。
三人の女の子は一日中買い物をして、午後には明日のファッションショーの準備のために戻ってきた。
林澈はドレスを三着用意した。一着はレッドカーペット用で、二着はショーを見る時に着るカジュアルなドレスだった。
ストリートスナップ用の服も、後で一緒に送られてくる予定だった。
ドレスを選び終わり、林澈がまだ休んでいると、ノックの音が聞こえた。
林澈は不思議に思い、スタッフかと思って、ドアを開けに行った。
ドアを開けると、そこに立っていた秦卿を見て、かなり驚いた。
「秦卿...」
「林澈」彼は微笑んで、中を覗き込んで「少し座っていってもいいかな?」と言った。
「ああ、もちろん」林澈は慌てて場所を空け、秦卿を中に入れた。
座ってから、秦卿は部屋を見回した。彼女の服がハンガーに掛かっていて、とても綺麗だった。彼は言った。「昔から女優になりたい、スターになりたいと叫んでいた小さな女の子が、今では本当に大スターになったんだね」
林澈は昔を思い出して、笑いながら「もう、そんなことないわ。大スターなんかじゃないし...」
秦卿は彼女を見つめた。彼女がもう自分のものではないと分かっていても、それでも近づきたいと思った。
林澈も本当は彼に会いたくないわけではなかった。ただ、彼が林莉との婚約を解消してからまだ間もないので、今会うのは何となく変な感じがした。
ただ、小さい頃のことを思い出すと、少し気が楽になった。結局、彼らは幼い頃から知り合いで、他の人とは違う関係だった。
秦卿は「今回のレッドカーペット、なぜ顧靖予と一緒に来たの?」と聞いた。
「ああ、そう。私たち一緒に映画を撮っているから、一緒に来たの」
「映画を撮っているんだ。彼の映画はいつも大ヒットするから、今回はきっと君も有名になるよ」
「そんなことないわ。まだ分からないし、撮影中だから、そんなに考えてないの。もちろん有名になれたら嬉しいけど、大ブレイクできたらもっといいわね」