大統領親衛はすぐに先に立って去っていった。
林澈は振り返って、まず楊凌昕に次のスケジュールの準備をするよう指示した。実際には彼女を一時的に遠ざけたかっただけだ。
楊凌昕は不満そうだったが、口を尖らせて二人を見つめた後、仕方なく先に立って去っていった。
ただ、彼女の心の中ではまだこの件が気になっていた。俞閔閔の言っていたことは本当なのだろうか。彼女が、大統領閣下と結婚するというのは。
そんなことがあり得るはずがない。
でも、完全に不可能というわけでもない。おそらく、林澈のつてで大統領閣下と知り合い、そして運よく彼と結婚することになったのだろう。
楊凌昕は唇を噛みながら考えた。なぜ林澈の周りの人たちは、次々と運が良くなっていくのだろう。
いつになったら、そんな運が自分にも巡ってくるのだろうか。