秦綰綰はずっと林澈と一緒にいて、まるで影のように離れないその様子に、人々は驚いていた。
二人の関係は本当に良好なようで、外部の人が言うような、友人と称しながら実は仲が悪いというのは違うようだ。こうして毎日一緒にいるのだから。
記者たちも懸命に報道し、二人の関係は良好で、不仲説は誤りだと伝えた。同じ事務所にいても、競争関係は二人の友情に影響を与えていないと。
寮に戻ると、林澈はそこでくつろいでいたが、しばらくすると秦綰綰が咳き込み始めた。
林澈が顔を上げると、秦綰綰は「まずい、来たばかりで風邪を引いちゃった。これから軍事訓練があるのに」と言った。
林澈は彼女のところへ行き、「まさか。薬を持ってきて飲ませようか。軍事訓練は参加しなくてもいいんじゃない?病欠にすればいい」
「そうするしかないわね。ごめんね、林澈」
秦綰綰は来たばかりで病気になってしまい、林澈は彼女の世話をすることになった。
いつも一緒にいる二人だから、彼女が病気になったのに世話をしないわけにはいかない。
林澈は医務室から寮へ走り、秦綰綰に薬を持ってきたり、物を用意したりした。みんなが入ってきて林澈に「大変だね。本当に。秦綰綰は体が弱すぎるわ。来たばかりで病気になるなんて」と言った。
林澈は「そうなんです。風邪がひどそうだから、先生に休みを申請するしかないですね。休みの手続きを手伝ってもらえませんか」と言った。
先生も秦綰綰をそのまま参加させるわけにはいかなかった。もし何か起きでもしたら、秦綰綰のファンたちが許さないだろう。
クラスメートたちは心の中で、有名人は良いなと思った。こうして軍事訓練も免除され、先生も何も言えない。
林澈は秦綰綰と寮で一日中過ごし、外出しなかった。
秦綰綰は林澈に本当に申し訳なく思い、林澈を見て「こんなに面倒をかけてごめんなさい」と言った。
林澈は「大丈夫だよ。誰だって病気になりたくないもの」と言った。
しかしその時、秦綰綰は突然全身が痙攣し始めた。
林澈は驚き、体が震えた。
急いで外に走り出し、医者を呼びに行った。
みんなもすぐに秦綰綰に何かあったことを知り、急いでついてきた。
医者はすぐに秦綰綰の状態を安定させ、検査の際に、秦綰綰に注射された薬の中に、別の薬が混入されていたことが分かった。