第440章 あなたが足りないのはどうしようもない

「本当にロマンチックじゃないわね。顧靖澤、あなたがお金持ちじゃなくて、この美しい顔もなかったら、絶対に彼女が見つからないわよ。付き合いにくすぎるんだから」

顧靖澤は彼女の言葉の中からたった一つの言葉だけを捉えた。「僕の顔が美しいと思うの?」

「……」林澈は彼を見つめて、「そうよ、そうよ、美しいわよ。ナルシスト」

顧靖澤は言った。「僕のことを美しいと思ったのは君だよ。君が僕に惚れているのに、どうして僕がナルシストになるんだ」

彼は林澈を引き寄せ、彼女に自分を見つめさせながら言った。「この顔が好きなんだろう?」

「……」林澈は言った。「好きじゃないわ」

顧靖澤は軽く笑って、「本当に好きじゃないの?」

「好きじゃないわ!美しいだけで、他に特徴なんてないじゃない」林澈はなおも言い張った。