第458章 宴会で林澈が優遇される

林澈はようやく分かった。

顧靖澤は彼女のために来たのだ。

そうだ、そうでなければ、こんな婦人会に彼が来るはずがない。

林澈はそこに座って、心から感動を覚えた。

中に入ると、顧靖澤が服を手に取って見ている姿が目に入った。上半身は着ていなくて、引き締まった背中が魅力的だった。

林澈は静かに近づき、後ろから彼をしっかりと抱きしめた。

顧靖澤は一瞬驚き、林澈の手が腰に回されるのを感じた。とても親密な様子だった。

顧靖澤は笑って言った。「どうした?誰かに見られて、やっと自分の男の価値が分かったか?」

いいえ、彼はずっと大切な存在だった。彼女にはそれが分かっていた。

まあ、実際には彼女は知らなかった。こんなにも価値のある人だとは。彼女はこういった事についてずっと無知で、C国に一体どれだけの富豪がいて、どれだけの人が世間に知られていて、どれだけの人が他人から恐れられ、近寄りがたい存在なのかも知らなかった。

でも、時にはそれでよかったと思う。なぜなら、最初から顧家がそれほど恐ろしい存在だと知っていたら、顧靖予に薬を盛る勇気なんてなかったかもしれない……

そうしたら、どうやって顧靖澤と出会えただろう。

顧靖澤は振り返って、「なんでいきなりこんなにべたべたするんだ」

「あなたの後ろ姿が急に素敵に見えたの」

「どれくらい素敵なんだ?」彼は顔を下げ、彼女の顎を指で摘んで尋ねた。

「ただ素敵だなって……」

「乗りたくなるくらい素敵か?」

「……」林澈は不機嫌そうに言った。「うるさい、誰があなたに乗るって!」

「上に乗ってる時は、僕に乗ってるじゃないか」

「……」

そんなに上に乗ったことなんてないのに。

動くのが面倒で上でじっとしていると、彼はすぐに我慢できなくなって、彼女を引き下ろして続けるのだった……

「もう行く、相手にしないから」林澈が立ち去ろうとすると、顧靖澤は彼女を引き止めた。

彼女を抱き上げ、ベッドに寝かせた。

彼は顔を近づけ、真珠のように潤んだ深い瞳で、「さあ、僕に乗って」

こんな不謹慎な言葉を、こんなに真面目な表情で言う。こんな男は、世界でもそう多くないだろう。

——

陸初夏は午後になってようやく到着し、すぐに林莉に指示を出した。