しかし、実は彼も早くから分かっていたはずだ。林澈は原石のような存在で、もっと精巧に磨き上げることができたのだ。ただ、彼がそうしたくなかっただけだ。
このように林澈が自分の傍らでゆっくりと成長していく様子を見守るのも、実に楽しいことではないだろうか。
顧靖澤は彼女の肩を抱き、「こっちへ行こう」と言った。
「どこへ行くの?」林澈は不思議そうに尋ねた。
「陸北辰からボートを借りたんだ。君が漁船での生活を体験したいって言ってたから、釣りに行こう」
「わぁ、本当?すごい!」
林澈は喜んでついて行った。場所に着いて、その小さくないヨットを見て、これが漁船なのかと思った。
「昔の露天の船みたいなのかと思ってた」
中型のヨットで、休憩や娯楽用の部屋があり、前方には操舵室がある小型クルーザーだった。