第480章 彼の名を出すなんて罰が必要だな

しかし、その時……

司徒瓊の足元が突然陥没した。

彼は飛び退いて避けたが、下からゴロゴロと音を立てて完全に崩れ落ちた……

二人とも落ちてしまい、周りの人々は慌てふためいて、一斉に立ち上がった。

なぜこんなことが突然起きたのか分からなかった。

傍のボディーガードたちも瞬時に駆けつけた。

審判も下敷きになってしまったが、今は誰も構っている余裕がなかった。

顧靖澤が先に何かにつかまって飛び出してきて、林澈はすでに急いで下りていき、俞閔閔も一緒についていった。

他の人も下りようとしたが、みな阻止された。林澈は下りながら急いで言った。「私です、私です。通してください。」

ボディーガードは林澈と俞閔閔だと分かると、急いで少し場所を空けて二人を通した。

他の人々は二人が中に入っていくのを見守るしかなく、依然として不思議そうに中を覗き込んでいた。

林澈が駆けつけた時には、二人はすでに中から飛び出してきていた。

林澈は埃まみれの二人を見て、ちらりと見た後、急いで顧靖澤の元へ駆け寄った。「大丈夫？」

顧靖澤は林澈が自分の側に来るのを見て、満足げに口角を上げた。

林澈は心配そうに顧靖澤を見て、彼を引き寄せて注意深く見た。幸いフェンシングの服は保護性があるので、体には問題なさそうだった。

しかし林澈はすぐに彼の手首から血が流れているのに気付いた。

「ああ、顧靖澤、怪我してる。」

彼女は彼の手を取り上げ、血が白い服を染めているのを見た。

しかし、傷は大きくないようで、出血も少なかった。

だが、これだけの土で、傷口は本当に汚れていた。

林澈は急いで言った。「早く出ましょう、ここにいない方がいい。」

林澈は彼が大丈夫なのを確認すると、司徒瓊を見に行こうと振り返った。

司徒家の人々はすでに司徒瓊の世話をしていたが、林澈が近づく前に、顧靖澤は力強く彼女を外へ引っ張り出した。

「あ……閔閔、司徒を見てあげて。」

俞閔閔は呆れて立ちつくし、仕方なく承諾した。

外は彼らに任せて、林澈と顧靖澤はすでに休憩室に着いていた。

医者が緊急で顧靖澤の傷を診に来た。

傷は落ちた時に切ったようで、破傷風の予防注射を打ち、傷口を清潔にした。林澈が横で医者が包帯を巻くのを見ていた時、顧靖澤が突然顔を上げて言った。「彼女にやらせて。」