顧靖澤は白いシャツを着ていて、カジュアルな様子でありながらも、身に着けると引き締まって見えた。
楊凌昕は外で見ていたが、林澈が電話を受けに行くのを聞いた。
彼女は電話をかけてきた人が他の誰でもないことを知っていて、自ら近づいていった。
案の定、彼女は林澈が「なぜ上の階で待っているの」と言うのを聞いた。
そして、顧靖澤がここにいることを察した。
顧靖澤を見つけるのは更に簡単だった。
彼女は顧家のボディーガードを見つけ、そして顧靖澤を見つけた。
そして顧家のボディーガードに、林澈が顧靖澤に伝言があると告げた。
ボディーガードは彼女のことを好ましく思っていなかったが、彼女が先ほど下で顧靖澤と一緒にいたことを知っていた。
そのため、本当に林澈からの伝言があるかもしれないと思い、彼女を通すことにした。
顧靖澤は目を細めて彼女を見て、「林澈から何か?」と尋ねた。
楊凌昕は急に恥ずかしくなり、緊張して、顧靖澤と向き合い、このように顧靖澤を見つめていた。
彼女は以前からずっとこのような機会を待ち望んでいたが、今、本当に顧靖澤が目の前にいると、かえってとても緊張してしまった。
彼のことが大好きで、何年もの間こっそりと好きでいて、ずっと自分のアイドルとして見てきたのに、まさか今日、アイドルが目の前に来るとは思わなかった。
しかも、彼はとても素敵で、林澈に対して細やかな気遣いをし、甘々だった。
彼女は顔を上げて、そのように顧靖澤を見つめ、「顧...顧さん、私...」と言った。
彼女は直接近づこうとした。
顧靖澤は目を細めて、片手で彼女を遮った。
楊凌昕は顧靖澤を見つめ、勇気を振り絞った。
これは彼女のチャンスだ、こんな良いチャンスを逃すわけにはいかない。
この後ろはホテルの部屋で、ここには彼女と彼の二人だけ。
彼女は今、服装もメイクも完全に林澈を真似ていた。彼がそんなに林澈のことを好きなのは、きっと林澈のこういうところが全部好きだからだ。
彼女は言った、「顧さんにお話ししたいことがあります。中に入れていただけませんか?」
「何の話だ。」
「中でお話しできませんか?」
「ここで十分だ。」
「でも...これは...澈さんのことなんです。」彼女は嘘をつくしかなかった。
「林澈に何かあったのか?ここで言えばいい。」