顧靖澤は彼女を見つめながら、アプリをダウンロードし、WeChatのアカウントを作成した。
林澈が言った。「どんな名前にしようかな...そうだ、『クールでイケてる社長様』にしよう。」
「...」顧靖澤は憂鬱そうに言った。「なんだよ、そんなダサい名前!」
「すごくリアルじゃない。」
「やめろ。」顧靖澤は言った。「適当な名前でいいから。」
「わかった、じゃあ英語の名前にしてあげる。」
林澈は不気味な笑みを浮かべた。顧靖澤は彼女が英語ができるようになったことを信じられなかった。
林澈は微笑みながら、ピンインで「kuangzhauikuba」と入力した。
顧靖澤は眉をひそめて見た。「これは何の意味?」
「ただの...適当なアルファベットよ。これをどう読むと思う?」
「この並びは英語の発音としては変だろう。」
「じゃあフランス語ってことで、もうこれでいいわ。」林澈は決めてしまい、次の瞬間、誰かが追加されてきた。
顧靖澤の連絡先にいる人たちだろう。
この電話番号でWeChatを申請したら、連絡先の他の人のWeChatに自動的に推薦されるのだ。
林澈は見て、何人かが追加してきたので、横を向いて聞いた。「この人たちは誰?追加する?」
「ああ、いいよ。親戚や友達だから。」
「うん、きっと連絡先にいる人たちね。」
「そうだな。」
顧靖澤はこういうことには詳しくなく、ただ横で見ているだけだった。
林澈は一気に多くの人を追加し、すぐに驚いた反応が返ってきた。「まさか、靖澤、お前この化石がついにWeChatを始めたのか。」
その中には陸北辰もいて、驚いて尋ねてきた。「靖澤、本当にお前か?それとも携帯を盗まれたのか?」
林澈は呆れて返信した。「私よ、林澈。彼のためにWeChatを設定して、時代の流れに乗る方法を教えてるの。」
陸北辰はそれを見て、やっと返信した。「そうだと思った。WeChatを始めるなんて、びっくりして夢かと思ったよ。」
「へへ、これからはWeChatでよろしくね!」
林澈は設定を終えると、その場で夕食の写真を撮り、モーメンツに投稿した。「夕食が本当に美味しい、さすが琉璃宮ね~」
琉璃宮についてのこんな投稿は、自分のモーメンツではとても出来なかった。投稿したら大炎上は間違いない。