第551章 私たちは皆あなたに反対する

慕晚晴は莫惠苓を相手にする気もなく、一行は中に入っていった。

「あなたたち……」莫惠苓も入ろうとしたが、顧家の人々は彼女を無視し、ボディーガードに連れて行かせただけで、一瞥もくれなかった。

彼女のお腹の子供が大切なことは分かっていたが。

しかし、自分が子供を宿す機械のように扱われ、この子供がいなければ、莫家のお嬢様である自分は何の価値もないかのように扱われることに、彼女は怒りを覚えた。

「ふん、私が顧家の長男を産んだら、あなたたち……あなたたちみんな、覚えておきなさい。」

莫惠苓は顧家の一行が公園の近くの会館へ向かうのを見つめながら、周りの人々がまだ噂話をしているのを感じた。

彼女は言った。「私も会館に連れて行ってくれないの！」

ボディーガードは答えた。「申し訳ありません、莫さま。それはできません。」

「私は……」莫惠苓は言った。「あそこの会館は私有地じゃないでしょう。私が自分で行くくらいはいいはずよ。」

ボディーガードは無表情で答えた。「本日、会館は顧家が貸し切っております。」

「あなた……」

そうか、顧家は裕福だから、お墓参りに来るだけでも、山の下のすべての場所を貸し切れるのね。

莫惠苓はボディーガードと共に近くの東屋で休むしかなく、中央に座って、心は暗い思いで一杯だった。

——

顧家の一族は全員、会館の大広間に入った。

本来なら和やかな家族の集まりのはずが、今は異常に厳かな雰囲気に変わっていた。

林澈と顧靖澤は席を見つけて座り、他の人々も次々と着席した。慕晚晴は中央に、顧闌珊は前方に、小姑の顧亦然は後ろに座った。顧家の上の世代には息子が一人しかおらず、それが顧靖澤の系統だったため、顧靖澤には叔父はおらず、叔母だけがいた。

二人の叔母も上流階級の女性で、普段は余計なことに口を出さず、自分の仕事に専念していたが、今日のような事態では黙っているわけにはいかなかった。結局は顧家の次世代に関わる問題だったからだ。

顧闌珊は言った。「靖澤、あなたは本当に、莫惠苓のお腹の子供があなたの子供ではないと確信できるの？」

顧靖澤は答えた。「確信しています。」

「どうやって確信できるの？」

「保管していた精子は一切使用されていません。彼女の言い分は成り立ちません。だから私の子供ではありません。」