「……」林澈の顔が更に赤くなった。「靖妍、あなたも下品すぎるわ!」
そのとき、顧靖澤が入ってきた。「何を話してるんだ?そんなに楽しそうに笑って」
「私たち、一緒にボウリングに行こうって話してたの。行きましょう、お兄さん。新しくできたショッピングモールのボウリング場よ」
顧靖澤は「いいだろう」と言った。
彼は、出かけるのもいいだろうと思った。彼女が不機嫌にならないように。
たとえ二人が互いを信頼していても、やはり心の中では不快な思いをするものだ。
彼自身が不快に感じているのだから、まして林澈はなおさらだろう。
顧靖妍はそれを聞いて飛び上がり、すぐに車の準備に向かった。
ついでに林澈に言った。「ほら見て、お義姉さんを連れていけば、お兄さんはどこにでも行くのよ」
「どういう意味……」と林澈は尋ねた。
「前はボウリングどころか、ご飯に誘っても時間がないって断られてたのよ。彼が自分から遊びに出かけたことなんてあったかしら」
そうだな、確かにその通りだ。彼は孤独そうに見える。
でも、彼女と一緒にいるときは、確かによく外出している。
もっとも、いつも彼女に無理やり連れ出されているのだが。
顧靖妍は陸北辰にも電話をかけ、行くかどうか尋ねた。
陸北辰は渋々同意した。
顧靖妍は電話で言った。「何よ、行きたくないなら行かなくていいわよ。そんな嫌そうな態度で」
林澈は彼らがまた喧嘩を始めることを心配して、急いで電話を奪って言った。「もういいわ、行くなら行くでしょ。人が多い方が賑やかでいいじゃない」
顧靖妍はようやく電話を切った。
顧靖妍は林澈の腕を組み、顧靖澤が後ろについて、三人で外に向かって歩いていると、ちょうど慕晚晴に出会った。
「あら、出かけるの?」
「うん、お母さん、ちょっと出かけてくるわ」
慕晚晴は目を細めて見ながら、心の中でとても嬉しく思った。
彼らがこんなに仲良く遊んでいるのを見て、彼女はもちろん嬉しく感じた。
顧家の玄関に着いたとき、陸北辰はちょうど車で到着したところだった。
顧靖妍が言った。「じゃあ、みんなであの車に乗りましょう。SUVだから広いし、お兄さんの車で行くと面倒よ。あの車を知ってる人が見たらお兄さんが来たって分かって、みんな寄ってくるでしょ。私たちは目立たないように遊びに行った方がいいわ」