第588章 同窓会で大統領夫人を取り囲む

同窓会は個室で始まった。

俞閔閔の顔はまだ赤かった。まだ入室する前に、封様が外にいるのを見かけた。

彼女を見かけた封様は笑顔で近づいてきて、「来たんだね。入りなよ、多くの同級生が来ているよ」と言った。

俞閔閔はまだ先ほどの混乱から立ち直れていなかった。この顧靖溟が、突然こんなことをするなんて、本当に...わざと彼女を困らせようとしているのだろうか。

封様に微笑みかけ、彼女は彼について中に入った。

さっきまで笑い声を立てていた同級生たちは、俞閔閔が封様と一緒に入ってくるのを見て、一斉に視線を向けてきた。

俞閔閔が本当に来たのだ。

「わあ、大統領夫人がいらっしゃった」

「まさか大統領夫人がご臨席されるとは」

「やっぱり少卿は魅力があるね、私たちの大統領夫人を招くことができるなんて」

みんなの押し寄せるような熱意に、俞閔閔は少し居心地の悪さを感じた。

しかし封様は傍らで俞閔閔を助けて言った。「もういいだろう。大統領夫人だの何だのと。今日は同窓会なんだから、そんな遠慮は要らないよ」

みんなは封様が俞閔閔を連れて来るのを見て、女子たちの心の中にはまだ不満げな様子が見られた。

まったく、大統領夫人になっただけで違うものね。封様が直接出迎えに行って、こんなに庇うなんて。

俞閔閔が真ん中に座ると、みんなが質問し始めた。

「閔閔、今は琉璃宮に住んでいるの？」

俞閔閔は「ええ」と答えた。

「いいわね、毎日大統領閣下と一緒で、きっとたくさんの人が仕えているでしょう」とその人は言った。

言い終わると、別の人がすぐに「それは当然よ。大統領の側近だもの、仕える人が少ないわけないでしょう」と言った。

俞閔閔は「実は普通の生活とあまり変わらないわ」と言った。

その女の子はとても綺麗で、俞閔閔は知っていた。当時クラスでも人気があって、勉強はあまり得意ではなかったが、清楚で綺麗で、その頃は子供たちが白くて清潔だったから、とても可愛かった。でも俞閔閔たちは毎日走り回っていて、いつも日に焼けて真っ黒だったから、比べると可愛くなかった。

聞くところによると、彼女はその後良い結婚をして、裕福な商人と結婚し、とても良い暮らしをしているという。

彼女は俞閔閔を見て言った。「私が誰か覚えているでしょう？当時私たちの席は近かったわ。私が封様の隣の席だったのよ」