俞閔閔は直接物を持って中に入った。
顧靖溟は俞閔閔が入ってくるのを見て、一瞬止まってから「あなたが?」と言った。
俞閔閔は急いで目を細めて微笑み、「お二人にお茶を」と言った。
エリックは横に座り、寄りかかっていた。
二人の様子はとてもくつろいでいるようだった。
傍らには二社の記者たちが、随時撮影を行っていた。
顧靖溟は記者たちを見て、俞閔閔の手を引いて座らせ、エリックに「こちらが私の妻です」と紹介した。
エリックはそこで驚いて「ああ、存じ上げております。お二人の結婚式を拝見しました。ファーストレディにお会いできて光栄です。本当にお美しい方ですね」と言った。
エリックが言った。
俞閔閔は初めてエリックに会い、彼に会えることが不思議な感じがした。
握手をするのは言うまでもなく驚きだった。
簡単な握手をして、彼女は「はじめまして」と言った。
英語が得意ではないため、顧靖溟が傍らで通訳を続けた。「妻は英語が得意ではありませんが、エリックさまのことは以前から存じ上げております」彼は顔を上げて、俞閔閔に「用事がなければ、一緒に座っていきませんか」と言った。
俞閔閔は記者たちを一瞥して、仕方なく座った。
顧靖溟は終始彼女の手を握り、同じように寄りかかっていた。くつろいでいても、少しも品位を欠くことはなく、王者の気配は、彼の一時的なリラックスによって少しも減じることはなかった。
彼は流暢な英語でエリックと会話を交わし、まるでどの言語も母語であるかのように、少しも緊張した様子を見せなかった。
ただ、ずっと俞閔閔の手を握っていたため、彼女は少し緊張していたが、それ以外は特に問題なかった。
ただ、俞閔閔は外で林澈がどうなっているか気になり、少し心配していた。
彼女はそこに座って、ずっと傍らで水を差し出したり、誰かが入ってくるのを見たら水や食べ物を受け取りに行ったり、何か足りないものがあれば自主的に対応したりしていた。
このようにしてエリックに近づく人を防いでいた。
そのため、長い間誰もこちらに半歩も近づくことができなかった。
ようやく、顧靖溟がエリックに「外を見学しませんか」と言った。
エリックも「もちろんです。琉璃宮は見たことがありませんでした。世界最高のセキュリティと爆発防止対策があると聞いています」と言った。