第707章 自分が嫁ぎたい人に嫁ぐのは幸せなこと

「おい、あなたたち……」

俞閔閔はその様子を見て、にこにこしながら碧ちゃんを連れて後ろの席に案内した。メディアや芸能マネージャーたちは後ろに座っており、専用の席が用意されていた。

林澈は顧靖予と一緒に行くと、自分が顧靖予と同じテーブルに座ることになっていることに気づいた。

これはむしろ良かった。わざわざ席を変える手間が省けた。

顧靖予と林澈が一緒に座ると、林澈はようやく気づいた。このテーブルには大物監督やトップクラスの俳優たちが座っていた。そのため、席に着いた途端、林澈はプレッシャーが一気に大きくなったと感じた。

一方、隣の顧靖予は見回して、からかうように言った。「さっきの心配は無駄だったようだね。今やあなたの地位は、完全に私と肩を並べているよ」

「おいおいおい、顧靖予、変なこと言わないでよ。あなたのファンに殺されちゃうよ」

「事実じゃないか。ほら、あなたはもうここに直接配置されているんだから」

「私は...なぜかわからないけど」林澈は確信していた。自分はまだそのレベルの地位にはないはずだ。しかし、今は何も言い返せず、席の配置を決めた人が何を考えていたのか分からなかった。

林澈はテーブルの人たちと少し会話を交わしたが、やはり見知らぬ人との会話は得意ではなかった。以前会ったことがある人でも、内心では気まずさを感じていたので、結局黙って座り、顧靖予とだけ話していた。

みんなは林澈がかなりクールだと思っていたが、裏で言うしかなかった。彼女は今や大物になり、誰とでも気軽に話すことはなくなり、顧靖予のようなレベルの人とだけ話すようになったのだと。

林澈は最近あまりにも勢いがあるため、みんなも特に言うことはなく、ただ羨望と嫉妬の目で見ているだけだった。

結婚式はすぐに始まった。

花嫁が登場する瞬間は、必ず会場を魅了するものだ。

木斐然は何度もウェディングドレスを着たことがあり、ドラマでも何度も花嫁を演じてきたが、今回は彼女自身が本当の花嫁になる番だった。

その温かな表情は、彼女が演技で表現できるものではなかった。

そして、ついに新郎も登場した。

めったに撮影できないため、記者たちのカメラは一斉に新郎に向けられた。