第717章 林澈が欲しければ誠意を見せろ

林澈が出かけるとき、かなりのお金を使った。

李明嶼は言った、「そんなにお金を使って、顧靖澤は何も言わないの？」

林澈は答えた、「違うわ、顧靖澤のところでは私はお金を使わないわ。彼は私の夫だから、彼のお金は私のもの。使うのが心苦しいわ。でもあなたのお金は違うでしょ？それはタダで手に入れたものだから、使わないと損よ。あっ、あそこに服を売ってるお店があるわ、行って試着してもいい？」

彼女の率直さに、李明嶼は面白く思い、彼女を見て言った、「珍しいね、そんなに正直なんて。」

「当然よ、あなたに好かれようとは思ってないから、正直に言えるわ。」

李明嶼は大笑いした。この少女は、一見弱々しく痩せていて、人に思わず保護したくなるような女の子だが、彼のところで軟禁されていても怖がらず、死体を見ても冷静でいられるなんて、むしろ驚きだった。

すぐに服を売っている場所に着くと、林澈は店に入り、次々と服を目の前に広げて試着し始めた。気に入った服は中に持って行って試着した。

大きなドレスも彼女の体にぴったりと合い、小柄で上品なスカートも彼女が着ると非常に美しく見えた。

李明嶼は感嘆して拍手し、「さすが顧靖澤が気に入る女性だ、本当に美しい」と言った。

「そうでしょ、顧靖澤はあなたよりずっと目が肥えてるわ」と彼女は言った。

それが莫惠苓のことを指していたので、李明嶼は目を凝らし、表情が曇った。

林澈を見て彼は言った、「随分と大胆な物言いだね。」

「私はあなたに監禁されてるんだから、これ以上どうなるっていうの？」

「お客様だよ、お客様だって言っただろう。いつも監禁監禁って、聞こえが悪いじゃないか。」

林澈は言った、「はいはい、お客様ね、わかったわ。冗談よ、冗談。」

二人は本当に友達のように、一緒に外へ歩いて行った。後ろには大勢の人が付き添い、大小の袋を持って、かなり派手な行列だった。

李明嶼は時々、不思議な感覚に襲われ、まるで彼女と本当に友達であるかのように感じることがあった。

彼は午後にすでに飛行機を予約していたので、ショッピングモールから戻ると、すぐに用意していたプライベートジェットに乗り込んだ。

林澈は仕方なく従い、後ろには四人の美女がついていた。彼女の世話をするためと言われていたが、世話だけでなく監視の役目も果たしていたことは明らかだった。