第35章 坊ちゃまがまさかこんなに上手に女の子を口説くなんて

「わ、私は怒っていません。」喬綿綿は顔を赤らめ、彼が近づくにつれて、呼吸が少し困難になるのを感じた。

　　「そうか？」墨夜司は彼女にさらに2センチ近づき、温かい息が彼女の唇に吹きかかり、指の腹で彼女の顎を押さえ、軽く撫でながら言った。「じゃあ、キスしてくれたら、君の言葉を信じるよ。」

　　「な、何？！」

　　喬綿綿は驚いて目を見開いた。

　　墨夜司は彼女の少し開いたピンク色の唇を見つめ、目を細め、瞳の光が少し暗くなった。

　　彼女の唇は、とても美味しい。

　　とても甘い味だ。

　　あの夜、何度も味わった。

　　あの夜のことを思い出し、彼の目の色はさらに暗くなった。

　　彼の熱い視線に出会い、喬綿綿は心が乱れ、手を伸ばして彼を押しのけた。

　　彼女は横に少し動き、彼との距離を置いてから、顔を赤らめて彼に言った。「墨夜司、もう少し真面目にしてくれない？」