第219章 私の心はすべてあなたのものだ

黒砂糖湯は本当に効果があるようだ。

  彼女の顔色がようやく青白くなくなった。

  喬綿綿は頷いた。「うん、だいぶ良くなったわ」

  「お腹はまだ痛いの?」

  「痛くなくなったわ」

  墨夜司は再び彼女の頭を撫でた。「また具合が悪くなったら教えてね。もう一度煎じてあげるから」

  喬綿綿の胸が温かくなり、顔を上げて彼を見つめ、目に疑問を浮かべた。「墨夜司...」

  「ん?」

  「...以前、他の女性をこんな風に世話したことある?」

  「ない」墨夜司は躊躇なく答えた。「ベイビー、君が初めてだよ」

  心に甘さが広がり、喬綿綿の唇の端がかすかに上がった。柔らかい声で尋ねた。「どうして?」

  墨夜司は目を伏せ、深い瞳を彼女の可愛らしく繊細な顔に落とした。「彼女たちが好きじゃないからさ」

  喬綿綿は一瞬驚き、唇の端の笑みが深くなった。

  あの小さな甘さが、たくさんの甘さに変わったようだった...

  彼は彼女たちが好きではないから、彼女たちのためにこういうことをしない。

  でも彼女のためにこれらのことをし、しかも喜んでしているのは、彼が彼女のことを好きになったから?

  たとえ彼が直接好きだと言ったとしても、この遠回しな告白に彼女はやはり心を動かされた。

  心臓が激しく鼓動した。

  「じゃあ...なんで私にこんなに優しくしてくれるの?」

  彼女は明らかな質問をしていることを知っていた。

  でも答えがわかっていても、彼の口から直接もう一度聞きたかった。

  男性の深く暗い目が彼女を見つめ、骨ばった白い指が彼女の顎を掴んだ。端正な顔が彼女に近づき、低くかすれた優しい声で言った。「ベイビー、俺の心、もうよくわかってるんじゃないの?」

  「俺がなぜ君に優しくするのか、まだわからないなんて言わないでくれよ」

  彼は自分の気持ちを隠そうとは全く考えていなかった。

  彼女が好きだから、そのまま彼女に伝えた。

  彼女に彼の気持ちをはっきりと、明確に理解させた。

  彼は駆け引きなんて好きじゃない。

  好きな女性はストレートに追いかける。

  追いつけなければ、また方法を考える。