「それがどうしたの。」墨奥様は冷たく言った。「結婚しても離婚はできる。結婚証明書を手に入れたら安心できると思っているなら、彼女は間違っているわ。」
「私たち墨家の門は、誰でも簡単に入れるようなものじゃないわ!」
彼女が言っている人物は、喬綿綿のことだった。
沈柔は瞳を光らせたが、もう何も言わなかった。
*
喬綿綿はおばあさまが差し出した箱を見て、躊躇しながら墨夜司を見た。
墨夜司は彼女に頷いて言った。「これはおばあさんからのお見舞いの品だよ。受け取りなさい。昔、母が嫁いできたときも贈り物があったんだ。」
彼がそう言ったので、喬綿綿は手を伸ばして箱を受け取った。
彼女は素直に言った。「ありがとうございます、おばあさま。」
箱の中に何が入っているかは、彼女にもわからなかった。