第318章 男神のこの友達、結構きれいだわ

彼がもちろん女の子の体を覗き見るようなことはできないはずだ。

でもあの夜……

あの夜のことを思い出すと、喬宸の顔が少し熱くなった。

彼は故意ではなかったが、確かに沈馨の体を見てしまった。全裸の背中だけだったけれど。

雪のように白い少女の体が彼の脳裏に浮かび、瞬時に彼の心を乱した。

「もう、そんなにもじもじしないの。男らしく、堂々としなさいよ」沈馨は彼がまだ立ったままなのを見て、立ち上がって爪先立ちし、彼の頬に軽くキスをした。

喬宸の体が突然硬直し、目を見開いた。

彼が呆然としている間に、沈馨は彼の肩を押して座らせた。

この光景。

ずっと彼らを見ていた喬綿綿と薑洛離も見ていた。

「マジかよ」

薑洛離は興奮のあまり汚い言葉まで出てしまった。「キスまでしちゃったの？これは絶対に恋人同士だよね。宸宸すごいな、音もなく白富美を手に入れちゃって。女の子がこんなに積極的なんだから、きっと彼のことが大好きなんだろうな」

「まあ、宸宸のあの顔なら、女の子を引き付けるのも当然だけどね」

喬綿綿は最初、喬宸とその女の子の関係を確信できなかった。

でも女の子が爪先立ちして喬宸にキスをし、喬宸も彼女を押しのけなかったのを見て、二人が恋人関係なのではないかと疑い始めた。

でももし彼女が彼女なら、喬宸が入院している間、なぜ一度も見舞いに来なかったのだろう。

もし彼女でないなら、さっきの行動をどう説明すればいいのか。

喬宸は彼女の弟で、彼女が一番よく知っている。

さっき彼がその女の子を押しのけなかったことだけでも、多くのことを物語っている。

しかし、彼女が喬宸のことをよく知っているからこそ、二人が恋人同士である可能性は低いと感じた。

喬宸の性格からすれば、自分が心臓病だと知った後は、絶対に彼女を作ろうとはしないはずだ。

しかも、彼らは姉弟仲が極めて良く、喬宸は何かあれば必ず彼女に話すはずだ。

彼はこの女の子のことを彼女に一切話していなかった。

喬綿綿は少し落ち着かなくなった。

喬宸に行って聞いてみたいが、自分が行くのは適切ではないかもしれない。

考えた末、彼女は携帯を取り出し、喬宸にWeChatのメッセージを送った：宸宸、どこにいるの？

彼女がメッセージを送った数秒後、喬宸が携帯を取り出すのが見えた。