第409章 本当に彼に追われている感じがする

男の人のこんな小さな思惑が、彼女にはすっかり見透かされていた。

でも気分は抑えきれないほど良くなって、心の中も甘く感じていた。

彼女がしばらく返信をしなかったからか、墨夜司は我慢できずにまた一つメッセージを送った：喬お嬢様、迎えに行きましょうか？

喬綿綿は彼の呼び方の変化を見て、唇を噛んで、目には甘い笑みが浮かんでいた。

この追い方は、なかなか様になっている。

彼女は突然、自分と墨夜司の今のような関係を楽しんでいると感じた。

本当に彼に追われているような感じがする。

こんなに素晴らしい男性に追われるなんて、どんな女性でも虚栄心が大いに満たされるはず。

喬綿綿は彼が少し焦っているかもしれないと思い、返信した：うん、迎えに来てください。

墨夜司はまた即座に返信した：わかりました、最大でも20分で寮の下に着きます。何を食べたいか考えておいてください。

*

墨夜司を待っている間、喬綿綿はウェイボーにログインした。開くと、また喬安心のニュースが流れてきた。

暴行事件についての釈明声明だった。

喬安心の個人事務所から発表されたもので、声明には喬安心がその女性芸能人と喧嘩になったのは、相手が先に彼女を侮辱したからだと書かれていた。相手の言葉があまりにも酷く、さらにその女性芸能人が挑発を続けたため、我慢の限界を超えて手を出してしまったのだと。

しかも事後、彼女の怪我はその女性芸能人よりも多かったという。

実際に殴られたのは、彼女の方だった。

声明では喬安心を非常に無実で、やむを得なかったように描写していた。

要するに、彼女のしたことはすべて理由があり、やむを得なかったもので、間違っているのは先に彼女を罵倒した女性芸能人の方だと。

事務所は更にその女性芸能人に対して弁護士による警告状を送り、名誉毀損で訴えると主張した。

スターライトは恐らく水軍を雇って喬安心のイメージ回復を図ったようで、声明が出されると、喬綿綿がコメント欄を見てみると、そこには喬安心を支持するコメントばかりで、たまに反対意見を述べる人がいても、すぐに水軍のコメントに押し流されていた。

他のエンターテインメント関連の公式ウェイボーアカウントも、すぐに喬安心の事務所の声明を転載した。

喬綿綿がこれらの公式アカウントのコメント欄を見てみると、案の定また喬安心の水軍を見つけた。