第426話 今度は、彼女がどうやって潔白を証明するのか見ものだ

印象の中で、墨社長はめったに笑わなかった。

たまに笑うことがあっても、今のような笑顔ではなかった。

この瞬間、彼でさえ墨社長の機嫌が本当に良いことを感じ取れた。

墨社長は結婚してから、以前とは少し違うようになったようだ。

全体的には大きな変化はないものの、確かに少しは変わったと感じられる。

具体的に言うなら、おそらく冷たい彫刻ではなく、より生きている人間らしくなったということだろう。

今の墨社長は、以前より人情味が増した。

そしてこれらの変化は、すべて若奥様のおかげだ。

やはり、愛の力は偉大だと言わざるを得ない。

墨社長のような鋼鉄のような人でさえ、柔らかく変わることができるのだ。

墨夜司は社長室の外に歩いて来ると、突然何かを思い出したように足を止め、目を細めて言った:「もう一つ頼みがある」