第501章 この一生、私はあなただけのものよ

「はい、坊ちゃま」

喬綿綿は口を開きかけたが、断ろうと思っていたのに、ある事を思い出して、結局彼の言う通りにすることにした。

まあいいか、どうせ特に用事もないし、一緒に会社に行こう。

彼の邪魔にならなければそれでいい。

*

墨氏に到着した。

墨夜司は彼女を連れて、地下1階から37階の社長執務フロアまで直行した。

二人が手を繋いでエレベーターから出てきた時、外のオフィススペースにいた女性秘書たちは、その光景を目にして驚きのあまり目が飛び出しそうになった。

数人が呆然と見つめていたが、墨夜司が彼女たちの傍を通り過ぎる時になってようやく我に返り、慌てて「墨社長」と声をかけた。

墨夜司は一瞥もせず、喬綿綿の手を引いて直接オフィスに入った。

喬綿綿の方は振り返って女性秘書たちを見渡し、オフィスに入ってから何気なく言った。「外にいる人たち、みんなあなたの秘書なの?」