第505章 他人ができることは、あなたのだんなもできる

彼は携帯を開いて、彼女がダウンロードしたそのゲームを見つけ、ログインした後、暗殺者の中から李白という英雄を選んだ。

喬綿綿は不思議そうに尋ねた:「何をするつもり?李白使えるの?」

彼女の記憶では、墨夜司はこのゲームをプレイしたことがなかったはずだ。

以前、彼の携帯にこのゲームをダウンロードするのを手伝ってあげたばかりだった。

墨夜司:「できない」

喬綿綿:「……」

彼は李白の基本的な属性とスキルを確認した後、戻って、そのままランクマッチを押した。

マッチング画面を見て、喬綿綿は目を見開いた:「今からプレイするの?できないなら、まずAI戦で練習できるよ。ランクマッチは英雄に慣れてからやるものだよ。そうしないと味方に迷惑かけて、罵られちゃうよ」

しかも、ゲームの中では誰もあなたの身分なんて気にしない。

迷惑をかければ、罵られるのは当然だ。

それに、対戦相手が誰なのかなんて、誰も知らないのだから。

男は落ち着いて携帯を持ち、彼女を見下ろして、大きな手で彼女の頭を撫でた:「いいんだ、他人にできることは、だんなにもできる。ベイビー、もし俺がこの試合で1対5できたら、後で俺のことを'にいさん'って呼んでくれる?」

喬綿綿のあの可愛らしく甘い声で'にいさん'と呼ばれることを想像すると、彼の体は急に緊張し、呼吸も荒くなった。

喬綿綿:「……」

なるほど、突然ゲームをやりたがった理由が分かった。

他の男性を'にいさん'と呼んだことが気になっていたのか。

たった一度しかゲームを一緒にしていない見知らぬ人のことまで嫉妬するなんて。

喬綿綿は笑いながら言った:「信じていないわけじゃないけど、李白って他の暗殺者と比べて操作が難しいの。初めてのプレイで1対5なんて、現実的じゃないわ。もっと簡単な英雄に変えない?」

他のチームメイトが禁止する英雄を選び終わった後、一番手の墨夜司は即座に李白をロックした。

喬綿綿:「……」

ロックしたら、もう変更できない。

チームメイトが英雄を交換してくれない限り。

彼女は、このゲームでチームメイトが絶対に迷惑を被ると思った。

一度も李白を使ったことがない人がランクマッチで使うなんて、チームメイトを絶望的な目に遭わせることは間違いない。

心の中でチームメイトに申し訳ないと謝った。