彼は携帯を開いて、彼女がダウンロードしたそのゲームを見つけ、ログインした後、暗殺者の中から李白という英雄を選んだ。
喬綿綿は不思議そうに尋ねた:「何をするつもり?李白使えるの?」
彼女の記憶では、墨夜司はこのゲームをプレイしたことがなかったはずだ。
以前、彼の携帯にこのゲームをダウンロードするのを手伝ってあげたばかりだった。
墨夜司:「できない」
喬綿綿:「……」
彼は李白の基本的な属性とスキルを確認した後、戻って、そのままランクマッチを押した。
マッチング画面を見て、喬綿綿は目を見開いた:「今からプレイするの?できないなら、まずAI戦で練習できるよ。ランクマッチは英雄に慣れてからやるものだよ。そうしないと味方に迷惑かけて、罵られちゃうよ」
しかも、ゲームの中では誰もあなたの身分なんて気にしない。
迷惑をかければ、罵られるのは当然だ。
それに、対戦相手が誰なのかなんて、誰も知らないのだから。
男は落ち着いて携帯を持ち、彼女を見下ろして、大きな手で彼女の頭を撫でた:「いいんだ、他人にできることは、だんなにもできる。ベイビー、もし俺がこの試合で1対5できたら、後で俺のことを'にいさん'って呼んでくれる?」
喬綿綿のあの可愛らしく甘い声で'にいさん'と呼ばれることを想像すると、彼の体は急に緊張し、呼吸も荒くなった。
喬綿綿:「……」
なるほど、突然ゲームをやりたがった理由が分かった。
他の男性を'にいさん'と呼んだことが気になっていたのか。
たった一度しかゲームを一緒にしていない見知らぬ人のことまで嫉妬するなんて。
喬綿綿は笑いながら言った:「信じていないわけじゃないけど、李白って他の暗殺者と比べて操作が難しいの。初めてのプレイで1対5なんて、現実的じゃないわ。もっと簡単な英雄に変えない?」
他のチームメイトが禁止する英雄を選び終わった後、一番手の墨夜司は即座に李白をロックした。
喬綿綿:「……」
ロックしたら、もう変更できない。
チームメイトが英雄を交換してくれない限り。
彼女は、このゲームでチームメイトが絶対に迷惑を被ると思った。
一度も李白を使ったことがない人がランクマッチで使うなんて、チームメイトを絶望的な目に遭わせることは間違いない。
心の中でチームメイトに申し訳ないと謝った。