第526章 こっちにおいで、抱きしめさせて

喬綿綿は彼の膝の上に座っていた。

墨夜司の頭の中にある考えが浮かんだ瞬間、彼女はすぐにそれを感じ取った。

驚いた子ウサギのように、顔に慌てた表情を浮かべ、彼を軽く押しのけると、すぐに彼の膝から飛び降りた。

そして数歩後ずさりし、距離を置いて警戒するような目で彼を見つめた。

墨夜司は一瞬驚き、面白そうに眉を上げた。「ベイビー、どうしたの？」

喬綿綿は何も言わず、ただ彼の体のある部分を見つめた。

黒いスーツのズボンの下で、明らかな変化が起きていた。

喬綿綿はちらりと見て、唇を噛みながら、心の中で「けだもの」と呟いた。

彼は彼女をあんなにひどく苛めておきながら、まだ……

間違いなく、完全なけだものだわ！

墨夜司も彼女の視線の先を見て、その後、からかうような薄笑いを浮かべた。