第554章 何事でもやってみせる

彼女は長年の付き合いがあるから、どんなことがあっても、彼の心の中で自分なりの位置を占めていると思っていた。

でも、この瞬間になって初めて、自分が間違っていたことに気づいた。

大きな間違いだった。

突然、沈柔は憎しみで胸が一杯になった。

彼のことを一番理解し、一番相応しく、一番誠実に愛している人間は自分のはずだった。

二十年以上も彼を愛し続けてきた。

最初の一目惚れから、二十年以上の長い恋になり、彼のことが好きすぎて、もう狂いそうだった。

たとえ彼が一度も応えてくれなくても。

それでも彼女の心には希望と期待が残っていた。

いつか、彼が自分の良さに気づいて、心を動かされると信じていた。

彼もいつか気づくはず、自分こそが墨夜司に最も相応しい人間だと。

二人は運命の相手同士なのだと。