第749章 世界全て、あなたなの

「どれくらい好き?」彼は彼女の額に額を寄せ、吐息が頬に降り注ぎ、親密に擦り寄せながら、低い声で隠しきれない喜びを込めて言った。「ねぇ?教えて、僕のことをどれくらい好き?」

たとえ、彼女の好意が彼の半分でも、それで十分だった。

残りの半分は、これからの人生をかけて少しずつ彼女から得ればいい。

喬綿綿は思わず笑った。「とても、とても好きよ、いい?」

「うん、いいよ。」墨夜司の唇の端がゆっくりと上がり、眉尻も上がった。「でも僕は欲張りだから、もっと好きになってほしい。ベイビー、もう少し僕のことを好きになってくれない?」

「もっと好きに?」

「うん、僕が欲張りだと思ってくれていい。」

彼女が気持ちを打ち明ける前は、ほんの少しの好意でも十分だと思っていた。

でも今は、それでは足りなくなった。

もっと欲しくなった……

彼女の目に自分だけを映してほしかった。

彼女に確実に選ばれる人になりたかった。

「でも、私、恋愛は慎重なの。そう簡単には人を好きにならないわ。」

「大丈夫。」墨夜司は口元を緩めた。「待てるよ。」

「どれだけ待っても大丈夫?」

「うん、どれだけでも待てる。でも、あまり長く待たなくていいといいな。」男は深い愛情を込めた眼差しで、思わず彼女の唇の端にキスをして、低く囁いた。「ベイビー、頑張るよ。もっと僕のことを好きになってもらえるように頑張る。」

喬綿綿は思わず尋ねた。「じゃあ、あなたは?」

「ん?」

「私にもっとあなたのことを好きになってって言うけど、あなたは私のことを……」

彼女の言葉が終わらないうちに、墨夜司は彼女の手を取って自分の心臓の位置に当てた。「ベイビー、ここはもうずっと前からあなたでいっぱいなんだ。中は、全部あなたで満たされている。」

その瞬間、喬綿綿の心臓は激しく鼓動した。

耳に彼の言葉が何度も繰り返し響いた。

彼は言った、ここはもうずっと前からあなたでいっぱいなんだと。

彼は言った、中は、全部あなたで……

「墨夜司……」

「喬綿綿、好きだよ。」男の低い声は深い愛情に満ちていて、漆黒の瞳には彼女の姿だけが映り、一言一句、情熱的に囁いた。「本当に本当に好きだよ。」

心は、あなたでいっぱい。

頭の中も、あなたでいっぱい。

世界中が、全部あなた。

狂おしいほどに好き。