第52章 蛇の摂食

「ゴロゴロ——」

  雷鳴とともに、雨が土砂降りになり、山林全体が「ザーッ」という水音で響き渡った。

  強風に乗って細かい雨が洞窟に吹き込み、たき火を揺らし、洞内の光が明滅した。

  白箐箐は風雨をついて洞口の蔓のカーテンを下ろし、ついでに雨水で食材を洗い清めた。戻ってきたときには頭からつま先まで濡れていた。

  カーティスは白箐箐の髪に触れ、驚いて言った。「君の髪が濡れている。」

  白箐箐はカーティスの言葉に戸惑った。「雨に濡れたら当然濡れるでしょ。」

  「そうか……」カーティスは首を傾げて自分の髪を見た。水に触れても濡れ付かず、水は髪の毛に沿って流れ落ちるだけですぐに乾く。メスの髪を見ると、髪の毛がくっついて、頭全体がびしょ濡れだった。

  カーティスはメスを見る目に心配の色が浮かんだ。

  白箐箐はカーティスが自分の髪を見つめているのに気づき、思わず二歩下がって、頭を抑えて言った。「私の髪を切ろうとしてるんじゃないでしょうね?」

  カーティスは真剣に言った。「そうしないと風邪を引くぞ。」

  本当にそう思っているのか。

  白箐箐は笑うに笑えず、たき火の側にしゃがんだ。「大丈夫よ、すぐに乾くわ。普段髪を洗っても風邪なんて引かないんだから。」

  カーティスはようやく安心したようだった。

  白箐箐が作っているのは相変わらず竹筒ご飯だった。今回は虎肉を一切れ切り、薑とニンニクと塩で少し下味をつけ、米の入った竹筒に詰め、火にかけて一緒に焼いた。

  カーティスはほぼ完全な形の虎を見て、白箐箐に言った。「お前は要らないのか?」

  「要らないわ、あなたが食べて。」白箐箐は思わず言ってしまい、言い終わってからカーティスはどうやって食事をするのだろうかと考えた。彼はあんなに熱さを怖がるのだから、熟食を食べるはずがない。

  案の定、カーティスは獣の姿に戻り、口を信じられないほど大きく開けた。鋭い牙から透明な唾液が滴り、虎を一口で咥え、ゆっくりと飲み込んでいった。

  「ドーン!」この雷は近くで鳴り、こだまさえなかった。強烈な電光が洞窟を一瞬にして昼のように明るくし、蛇の恐ろしい大口がはっきりと見えた。