第064章 翡色の美人

この言葉に、周正宏は完全に震撼した。

  顾宁の賭石の能力については、彼はもともと疑いを持っていなかったが、彼女が自分のテクニックを持っていると聞いて、さらに彼女の才能を侮れないと感じた。

  しかし、彼をさらに驚かせたのは、顾宁が会社の運営を全て彼に任せ、さらに20パーセントの株式まで与えたことだった。

  彼女は、自分をそこまで信頼しているのだろうか?

  能力が認められ、人格が信頼されることほど説得力のあるものはない!だから、疑う余地もなく、周正宏の心は動いた。

  財産は二の次で、彼はむしろ平凡な生活を送ることを好まなかった。それは彼に人生を無駄に過ごしたと感じさせるからだ。

  ほとんど躊躇することなく、周正宏はすぐに立ち上がり、顾宁を見つめて、非常に厳粛に言った。「顧お嬢様、私、周正宏はあなたに従うことを誓い、決して裏切ることはありません。」

  同時に、周正宏は密かに決意した。必ず顾宁と共に大きな事業を成し遂げようと。

  会社の所在地は当面G市に置くことにした。なぜ当面というかというと、顾宁は大学に入学する頃に会社の本社を京城に移す計画を立てているからだ。

  京城こそが、彼女が慣れ親しみ、定住したい場所だった。

  ジュエリーブランド名は《翡色美人》とし、会社名は《翡翠美人寶飾會社》とし、主に翡翠ジュエリーを扱う。

  金、銀、ダイヤモンドなどの他の素材のジュエリーについては、将来的には手を広げるが、当面は行わない。

  なぜなら、顾宁が手元に持っている翡翠は最低でも中上品の翡翠で、上級品、極品もあるため、顾宁は高級製品を作り出そうとしているからだ。中上品の翡翠アクセサリーは1点で数十万元以上、上品の翡翠アクセサリーは数百万元から千万元以上のものもある。

  購入する人は多くないかもしれないが、1点売れれば大きな利益が得られる。

  G市での店舗と加工工場の探索、デザイナー、彫刻師、従業員の雇用に関する事項、さらに解石機や加工機械の購入などは、周正宏に任せることにした。

  これらの事柄については周正宏の方が顾宁よりも詳しいので、顾宁は口を出さないことにした。