食事を終えた時には、もう午後4時になっていた。彼らの食事が遅すぎたからだ。
顧寧は飛行機のチケットを確認し、F市に戻る便があるかどうか調べた。冷少霆がF市に到着したことで、彼女の心に気がかりがあったため、帰りたいと思ったのだ。
どうせ、D市の用事はもう済んでいた。
しかし、もう便がなかった。一番近い便は30分後に出発するもので、顧寧には間に合わなかった。そのため、明日まで帰れないことになった。
そこで、泉林山莊に宿泊することにした。Kは気前よく顧寧の宿泊費を払ってくれた。
Kが去った後、顧寧は暇つぶしに散歩をし、この泉林山莊を見学することにした。
泉林山莊は山水に恵まれ、景色が美しく、まるで観光地のようだった。
顧寧は思わず携帯を取り出して写真を撮り、自撮りもして冷少霆に送った。
冷少霆は顧寧に用事が済んだかどうか、どこにいるのか聞こうと思っていたところ、顧寧からメッセージを受け取った。
写真の中の顧寧の輝くような笑顔を見て、冷少霆の心臓が激しく鼓動した。キスしたい、とても強くキスしたいと思った。
冷少霆:どこだ?
顧寧:泉林山莊よ、とても綺麗。
冷少霆:うん
そして、それ以上は何も言わなかった。
顧寧は40~50分ほど歩き回り、戻ろうとしたとき、振り向くと、遠くに見覚えのある姿が自分に向かって歩いてくるのが見えた。顧寧はその場で凍りついた。
冷少霆、彼が、彼がなぜここに?
顧寧は慌てて目をこすり、自分の目が曇っているのか、幻覚を見ているのかを確認しようとした。
しかし、その人はまだそこにいて、しかも自分にどんどん近づいてきていた。
「どうしてここに?」顧寧は尋ねた。心の中にはまだ現実感のない感覚があった。
「君が恋しくて、だから来た」冷少霆は顧寧の前に立ち、彼女を真剣に見つめ、目の中の恋しさと深い愛情を隠そうともしなかった。
冷少霆は甘い言葉を言うタイプの人間ではなかったが、正直な人間だった。思ったことをそのまま言う人だった。
顧寧は鼻の頭がツーンとして、心の中で深く感動した。
彼が彼女を恋しく思うあまり、はるばる飛んできたなんて。一日も待てなかったなんて。