「テンシに行くんですか。偶然ですね、私もテンシに行くところです。」趙越峰はさらに喜んだ。顧寧がテンシに行くのは、賭石のためだろうと分かっていたが、今はあまり多くを言わない方がいいと思った。
「趙せんせいはどの便ですか?」顧寧が尋ねた。
「1時20分の便です。顧お嬢様はどうですか?」趙越峰が言った。
「同じですね。立っていないで、まず座りましょう!」顧寧が言った。
「はい」趙越峰も遠慮せずに座った。今は顧寧と一緒に行きたいと思っていた。そうすれば、彼女に目利きをしてもらえるかもしれない。
「趙社長、この老いぼれを無視するつもりかい?」そのとき、章おじいさまの少し責めるような声が聞こえてきた。その口調は高慢ではなく、親しみのこもったものだった。
章おじいさまは趙越峰が顧寧を見たときの喜びと、顧寧に対する敬意のある態度を見て、心の中で非常に驚いていた。