章得成も噂を聞いて来た。彼と一緒に来たのは、同じくらいの年齢の老人たちだった。
ガラス種スミレグリーンと極品ガラス種の話を聞いて、彼らは驚きのあまり言葉を失った。
そして、一人の老人が顾宁に近づいてきて、興奮しながらも丁寧に尋ねた。「あなたがヒスイを解石した唐さんですね!」
彼は一目で彼女だと分かったが、礼儀として丁寧に確認した。
「はい、そうです。あなたは?」顾宁も礼儀正しく尋ね返した。
顾宁の礼儀正しさに相手は少し驚いた。これほど多くの原石を解石できる人は、高慢な人かもしれないと思っていたからだ。
心の中で、顾宁への好感度が倍増した。
「唐さん、こんにちは。私はテンシ翡翠協會の会長の章得全です。あなたの賭石の能力には本当に感服しています。機会があればぜひ意見交換させていただきたいですね。」
章得全は顾宁に対する賞賛、尊敬、羨望の気持ちを隠さずに表現した。嫉妬や憎しみはなかった。
彼が羨ましく思ったのは、顾宁が稼いだ金額ではなく、彼女の賭石の才能だった。
人の心構えが正しければ、他人の財産を嫉むのではなく、その能力や才能を称賛するものだ。
章得全は章得成の弟で、翡翠協會の会長であり、賭石の能力も非常に高かった。かつて5つの原石から3つのヒスイを当てたことがあり、2つが中級品、1つが中上級品だった。
これは一度きりのことだったが、前例のないことで、多くの人々の尊敬を集めるに十分だった。
もちろん、顾宁のような例外を除いてだが。
「章会長、こんにちは。章会長と意見交換できるのは私の光栄です。」顾宁は謙虚に応じた。彼女は好意を示す人を拒否することはなく、相手の身分に関係なく、また地位のある人を全て計算に入れることもしない。真心は計算に耐えられないからだ。
協力には、双方の意思と利益が必要だ。
「唐さんは、これらの原石からヒスイが出ると、どのように判断したのですか?私が見たところ、いくつかの原石にはヒスイが出る特徴が全くありませんでした。」章得全は顾宁のカートの原石を見て尋ねた。