第266章 鄭鵬を取り込む

仕入れの件は、彼女が自ら出向いて行った。そうすることで、正確にヒスイの入った原石を手に入れることができるからだ。

「青幫が本当にあなたを許さないつもりなら、あなたは逃げられると思いますか?」顾宁が尋ねた。

これを聞いて、鄭鵬は体中が硬直し、顔色が急に真っ白になった。

そうだ!青幫が彼を許さないのなら、彼は逃げられるだろうか?もちろん無理だ。

周知の通り、青幫の人々は南方と西南方全域に散らばっているのだ。

顾宁は目を回し、言った。「鄭社長、もしこの店を続けられないのなら、私の会社で働いてもらうのはどうでしょうか。やはり原石とヒスイの仕事ですが、あなたにその気があるかどうか知りたいのです。」

「えっ!」鄭鵬は驚いて固まった。この若く見える小娘が、ビジネスをしようとしているのか?

顾宁は自分のバックパックから名刺を取り出し、鄭鵬に渡した。「これが私の名刺です。世間のあなたに対する評価から、あなたの人格は素晴らしいと思います。能力も優れていると信じています。今、私は管理する人を必要としています。もしあなたに意欲があれば、詳しく話し合えます。」

鄭鵬はすぐに返事をせず、しばらく悩んでから言った。「もし顧お嬢様が、私が青幫からの面倒を持ち込むことを気にしないのであれば、喜んであなたの会社で働かせていただきます。」

鄭鵬はかなり目の利く人物だった。彼は青幫が顾宁に迷惑をかけることを心配していたが、顾宁が青幫を全く気にしていない様子を見て、彼女が本当に恐れていないことを悟った。

彼女の身分が並ではないか、あるいは彼女と青幫に何らかの因縁があるのか。いずれにせよ、彼女は本当に青幫を恐れていないので、彼も彼女を信頼することにした。

彼女が自分を自分の会社で働かせようとしていることに、最初は単に自分を助けようとしているだけだと思い、人に迷惑をかけたくないと考えた。しかし、相手が自分の人格と能力を信頼していると言うのなら、能力が認められ、人格が信頼されることほど説得力のあることがあるだろうか!

そのため、疑問の余地もなく、鄭鵬は心を動かされ、承諾した。

彼は顾宁が自分を騙しているかどうかを全く心配していなかった。たとえ騙されたとしても、彼は納得するだろう。自分の命が顾宁に救われたことを忘れていないのだから。