第288章 王家に異変あり

午前10時頃、顾宁はKからの電話を受け取り、王家の罪証が彼女のメールボックスに送られたと言われた。

「ボス、あなたは国家から派遣されたスパイじゃないですか?どうしてあなたの敵はみんな違法分子なんですか?」Kは我慢できずに尋ねた。もっとも、これは純粋に文句を言っているだけで、冗談めかしたものだった。なぜなら、顾宁が彼に調査させる人物はいつも特殊すぎて、彼を困惑させていたからだ。

「私はスパイなんかじゃない。ただ、お前のボスがあまりにも優秀だから、そういう人たちを妬ませてしまうんだ。妬むと、トラブルを起こしてくるんだよ」顾宁は無奈に言った。冗談めかした口調で言ったが、これは事実だった。

「これからは忙しくなりそうですね。せっかく旅行でも行って、リラックスしようと思っていたのに!」Kは恨めしげに言った。やっと遊ぶ気分になれたのに、彼だって簡単じゃない。

「撤回することもできるよ。君の足が以前と同じになりたくないなら」顾宁は言った。

Kは言葉に詰まり、顾宁との会話を続けられないと感じた。「何も言いません。これで、切りますね」

言い終わるとKは電話を切った。顾宁を全く尊重せず、部下としての自覚がなかった。

もちろん、顾宁も気にしなかった。恭しい態度よりも、率直な態度の方が好きだった。

しかし、顾宁にはまだ言い忘れたことがあった!でも顾宁は再び電話をかけるのではなく、メッセージを編集して送信した。海市の第一家族である唐家の次男の件について調査するよう、Kに依頼したのだ。18、19年前に彼が何か事故に遭ったかどうかを調べてほしいと。

冷少霆は入浴中だったので、Kとコミュニケーションをとっていたことを知らなかった。顾宁のプライバシーを尊重して、多くを尋ねなかった。

浴室から出てきた冷少霆は、すぐに顾宁に飛びかかり、愛し合った。顾宁もKから送られてきたファイルを見るのを忘れてしまった。急ぐ必要はなく、明日見ても遅くはないので、ファイルのことは頭の片隅に追いやった。

しかし、二人が盛り上がっているときに、顾宁の電話が鳴り、二人の愛し合いを中断させた。

冷少霆は非常に不満そうだったが、顾宁が電話に出るのを止めなかった。こんな遅くに電話があるということは、きっと何か重要なことがあるに違いない。