第312章 芸能界に進出

盧湛はその言葉を聞いて、驚いて顧寧を見つめた。彼は当然、顧寧の言葉の意味を理解した。ただ、彼女がこのように尋ねるということは、彼を助けようとしているのだろうか？

もしそうだとしたら、なぜだろう？

顧寧の言葉の意図がどうであれ、盧湛は正直に答えた。「はい、もちろんです」

彼は人生の大半を映像業界で過ごし、すでに映像は彼の人生の一部となっていた。だからこそ、彼はそれほど品質にこだわり、そのために人を怒らせ、干されることになったのだ。

「盧監督が私を信用してくださるなら、私と協力することができます」と顧寧は言った。

「あなたと？」ある程度予想していたため、盧湛はそれほど驚かなかったが、それでも驚きと好奇心、疑問、懐疑が入り混じっていた。彼女に何の資格があって彼の復帰を手助けできるというのか？

盧湛の反応を見て、顧寧は全く気にする様子もなく続けた。「私が若いため、能力を疑問視されることは分かっています。最初は多くの人が私を疑っていましたが、最終的には皆納得してくれました。外見で人を判断できないことが多いからです。私はビジネスパーソンです。盧監督の人柄と能力を高く評価しています。私はエンターテインメント業界に進出する準備をしており、盧監督に私の会社の総監督になっていただきたいと考えています。盧監督はその意思がありますか？もし私の能力を疑問視されるなら、証明させていただきます」

盧湛はその言葉を聞いて、大変驚いた。

なんだって？顧寧がエンターテインメント業界に進出する？

確かに、彼は顧寧の若さゆえに彼女の能力を疑問視するかもしれない。しかし、彼女が言ったように、外見で人を判断できないことは多い。

彼はエンターテインメント業界で長年を過ごし、様々な人を見てきた。目は確かなはずだ。この顧寧の真剣で厳格な態度、そして成熟した落ち着いた雰囲気を見ると、顧寧は嘘をついているとは思えなかったし、彼女が彼を騙す理由も思いつかなかった。

しかし今は顧寧の能力はさておき、彼女は彼が人を怒らせたことを知りながら監督として雇おうとしている。連累されることを恐れないのだろうか？