冷少霆はすでに顾宁のために専用車を手配していたので、安光耀たちは空港を出るとすぐに金陵ホテルへ向かった。
五十分ほどかかり、十一時半に一行は金陵ホテルに到着した。
顾宁は既に金陵ホテルに個室を予約しており、食事の後にオフィスビルへ向かう予定だった。
しかし、二時に冷少霆とオークションに行かなければならなかったため、勝手に料理を注文しておき、彼らが到着したらすぐに食べられるようにした。安光耀たちもそれを気にすることはなかった。
「顧お嬢様、冷さん」安光耀は顾宁と冷少霆を見るなり挨拶した。
他の人がいたため、安光耀は顾宁を社長と呼ぶわけにはいかず、顧お嬢様と呼ぶしかなかった。
安光耀と一緒に来たのは秘書の張順傑、デザイナーの吳明凱、デザイナーアシスタント一名と測量士二名の計六名だった。
「顧お嬢様、冷さん」他の人々も挨拶をした。顾宁と冷少霆を顧客だと思っていたため、緊張はしていなかったが、とても丁寧な態度だった。
張順傑は顾宁が社長だと知っていたので、多少緊張していた。
顾宁はすぐに皆を座らせ、給仕に料理を運ぶよう指示した。
食事中は仕事の話をするのは適切ではないため、顾宁はオフィスビルの計画を既に書き出して安光耀に渡し、残りは安光耀たちに任せることにした。
オフィスビルは全18階で、1階はロビーとフロント、18階は社長室となっていた。
グループの部門は当面、財務部、人事部、マーケティング部、情報部、証券部が設置される。オフィスビルは550平方メートルの敷地面積で、各階に3つの部門が設置され、各階にトイレと給湯室がある。
1フロアを食堂に、1フロアを会議室などに設置する。
「風華エンターテインメント会社」はグループ本社に直接設置され、7、8、9階を占める。7階はダンススタジオ、8階は練習室、9階は風華エンターテインメントの俳優とスタッフのオフィスとなる。
18階建ての事務所は当面すべては使用しない。まだすべての会社を統合する時期ではないため、使用する階は計画通りに改装し、使用しない階は簡易な内装にして、必要になった時点で追加工事を行う。
安光耀は「風華エンターテインメント会社」を見て少し驚いた。顾宁がエンターテインメント業界にも進出しようとしていることに驚いたのだ。