一番手の殴り屋は大鵬と呼ばれ、三十五歳で、体格が良く、筋肉質で、力が非常に強かった。そして、鐵軍よりも身のこなしが優れていたからこそ、鐵軍が敗れるのを見ても、なお高熠に挑戦しようとしたのだ。
しかし、彼も勝てる確信は百パーセントなかった。高熠が本物の達人だったからだ。だが、達人同士が出会えば挑戦意欲が湧くものだ。そのため、鐵軍が負けたからといって、負けを恐れてこの機会を逃したくなかった。
本当に負けても、せいぜい数千万の賠償金だ。それくらいなら払える。
「いいだろう。ただし、胴元なしだ」高熠は受けた。まだ満足に戦っていなかったのだ!
「了解」大鵬は応じた。
そして、新たな賭けの時間となった。ただし、賭けの前に、前回の勝ち金の回収と支払いを済ませた。
この試合で、高熠は相手の勝ちに賭けた千二百六十五万二千元と勝場の十万元を受け取った。つまり、この試合で高熠は千二百七十五万二千元を得たことになる。