第383章 花火ショー

郝然はため息をついて、困ったような表情で言った。「親しすぎて、手を出しにくいんだよ。もし上手くいかなかったら、友達としても付き合えなくなる」

郝然は誰かを好きになっていないだけだが、彼の言葉はもっともだった。今は18歳で、これからの人生は変化に富んでいて、誰も永遠に変わらないことを保証できない。

しかし郝然がそう言った時、穆柯は於米希を一瞥し、目の奥に諦めの色が見えた。明らかに郝然の言葉に同意していた。於米希は気づいていなかったが、顾宁の目には確かに映っていた。そして彼女は一瞬驚いた。

もしかして、穆柯は於米希のことが好きなのだろうか?

恋愛のことには口を出さないし、口出しもできない。彼らの関係が良い方向に発展することを願うだけだ。でも、もし互いに好き合っているなら、すれ違ってほしくない。だから適当なタイミングでヒントを与えることにして、こう言った。「その考えは間違っていないけど、本当に好きになったら、相手と未来を共にしたいと思ったら、そんなに多くのことは気にしなくなるわ。だって、私たちは誰も将来がどうなるか分からないんだから」

顾宁の言葉を聞いて、穆柯の目に一瞬clarity が宿った。しかし彼が心の中で何を考えているのか、顾宁には分からなかった。この話題はここまでだった。「さあ、もうすぐ10時だから、広場に戻りましょう」

そして、一行は広場へと向かった。

先ほどの出来事があったため、郝然たちは意図的に金可芯と冷少霆たちを引き離していた。金可芯が冷少霆に手を出す可能性がないことは分かっていても、金可芯の不純な目的を知った後は、彼女が冷少霆や顾宁に近づくことすら、一種の汚染のように感じられた。

金可芯は郝然たちの心中を見抜いていた。顔を真っ青にして怒っていたが、相手は何もしていないので、何も言えなかった。心の中では非常に悔しかった。

一行が広場に着くと、人の数は以前の何倍にも増えていた。

花火を打ち上げる場所はすでに区切られていた。近づくと落下してくる花火で怪我をする可能性があるため、念のためだった。

広々とした場所には既に花火が並べられ、スタッフも待機していた。時間になり次第、点火できる状態だった。

10時になるとすぐに、スタッフは花火の点火を始めた。ただし、一度に点火するのではなく、順序立てて点火していった。

「ドーン」