そして、その女性は顾寧を見つめ、感謝の気持ちを込めて「ありがとう」と言った。
顾寧はただ「うん」と返事をしただけで、それ以上は何も言わなかった。
空港には救急センターがあったため、すぐに救急車が到着し、その女性が救急車に乗せられた後、顾寧もその場を離れた。
立ち去る前、顾寧は誰かの視線を感じていたが、顾寧が振り向いた時、唐雲帆もちょうど背を向けたところだった。顾寧が見たのは唐雲帆の後ろ姿だけで、特に気にすることもなく、そのまま立ち去った。
「社長、どうされましたか?体調が悪いのですか?」秘書の厳玮倫は自分の上司の様子がおかしいことに気づき、心配そうに尋ねた。
「大丈夫だ、行こう」唐雲帆はそう言うと、すぐに空港の出口へ向かった。
顾寧はすぐに車で空港を離れることはしなかった。というのも、どこに行けばいいのかわからず、その古墳のある村がどこにあるのかもわからなかったからだ。海市はとても広く、周辺には多くの村があり、どの村なのか誰にもわからない。