第471章 あなたの義理の弟は誰?

この二人は仲違いしてしまい、これでは、仲を取り持つのは難しくなってしまったようだ。

「寧寧に言いつけて、寧寧から義弟に伝えて、あなたが私を裏切ったって言わせようか」邢北が冷さまを恐れている様子を思い出し、曹文馨は脅すように言った。

「お前...」今度は邢北が言葉に詰まった。

「もういい、大の男が女の子と争うことないだろう!」邢宸は邢北を責めた。確かに、この件は曹文馨が悪いのだが、相手は女の子なのだから!

「俺が彼女と争ってるように見えるのか?最初から何も言ってないのに、彼女の方が先に俺のことを言い出したんだぞ」邢北は不満げに反論した。

「......」邢宸は言葉に詰まり、何も言えなくなった。

邢北もこれ以上追及するのをやめた。曹文馨が自分を標的にしなければそれでいい。

「そういえば、文馨、君の義弟って誰?」曹文俊は興味深そうに尋ねた。「いつから義弟ができたの?」

「寧寧の彼氏よ!」曹文馨は答えた。

「顧寧?」曹文俊は驚いた様子で「彼女まだ18歳じゃないか?もう彼氏がいるのか」

曹文俊は顧寧に会ったことはなかったが、彼女のことは聞いていた。若くしてあれほどの能力を持つ人物に、とても感心していた。

「うん!かっこよくて、有能な人よ」曹文馨は褒めちぎった。「私たちの寧寧は目が高いのよ」

邢北は内心で、自分たちのボスがかっこよくて有能なのは当然だ、この世の中で、ボスに匹敵する人なんて何人いるだろうかと思った。

曹文俊も、顧寧の相手となる人物は並の人ではないだろうと思った。ただ、彼女がまだ18歳で恋愛をしていることに、少し違和感を覚えた。「顧寧に彼氏がいることを、お祖父様は知ってるの?」

「知ってるわよ!会ったこともあるの!」曹文馨は以前顧寧にも同じ質問をしていた。お祖父様が知らなければ、顧寧の彼氏のことなど話題にも出せなかっただろう。

お祖父様が知っているなら、曹文俊も余計な心配をする必要はないと思った。

一行が古い通りに着くと、そこには古代の建築様式が保存されていた。何度も修復されているものの、依然として古い建築物の趣を残していた。元宵節なので提灯会が開かれており、通りは明るく輝き、人々の声で賑わっていた。両側には精巧な提灯が吊るされ、遠くから見ると、まるで一筋の華やかな虹が古い通り全体を包み込んでいるかのようだった。