第510章 唐雲帆に異変が1

多くのクラスメートが顾寧のことを心配していたが、邵菲菲たちだけは、顾寧に何か大変なことが起きることを願い、彼女の不幸を喜ぶような態度を隠そうともしなかった。

顾寧は教室を出るとすぐに携帯を取り出し、唐雲帆に電話をかけ、大型トラックを避けるように伝えようとしたが、唐雲帆の電話は通話中で、彼女の心は一気に冷え込んだ。

彼女は、もはやこの事故を防ぐことはできないと悟り、できるだけ早く現場に駆けつけるしかないと思った。相手にまだ息があれば、必ず助けられると信じていた。

顾寧が運動場を通りかかった時、校長が車から降りてきたところだった。顾寧はそれを見て、直接校長の前に行き、「校長先生、お車をお借りできませんか?急用があるんです」と言った。

以前なら、顾寧はこんな頼み事はしなかっただろう。校長は彼女が誰なのかも知らないのに、車を貸してくれるはずがないからだ。しかし今は違う。朝、張秋華が校長と彼女のことについて話をしたので、今では校長も彼女のことを知っている。