第545章 お母さん？こんなに若いなんて

唐雲航は両手に二つのスーツケースを持って、顾宁と顾蔓のために家の中に運び入れてから、帰っていった。

その後、顾宁は顾蔓の部屋の整理をした。その部屋は顾宁の部屋の向かい側で、書斎と二番目の寝室を挟んで離れていた。

顾宁が自分の部屋から離れた部屋を用意したのは、ある人が来ても見つからないようにするためだった。とはいえ、その部屋は主寝室に次いで二番目に大きく、専用のクローゼットもあり、ただ主寝室ほど広くないだけだった。

顾蔓の部屋を整理しながら、顾宁は冷少霆に位置情報を送り、「来る勇気ある？」と聞いた。

その時、冷少霆はまだホテルにいて、スマートフォンを見つめながら、なぜ顾宁から連絡がないのかと考えていた。

今夜顾宁に会えるとは期待していなかったが、少なくとも電話で話くらいはできるはずだと思っていた！

もちろん、顾宁からのメッセージを見た時、冷少霆はソファから飛び上がりそうになり、すぐに返信した。

冷少霆：「ある」

顾宁：「私たち、まるで不倫してるみたいね」

冷少霆：「堂々とできるのに」

顾宁：「やめておきましょう。母に知られたら、若い娘を誘惑したって箒で追い出されちゃうわよ」

冷少霆：「……」

顾宁：「少し我慢して、もう少し後で来て。母がまだ寝てないから」

冷少霆：「わかった」

顾宁に会えるなら、遅くなってもいい、不倫のようでもいい、彼にはどうでもよかった。

別荘の外で、曹文馨は怒りを抱えながら真っ赤なランボルギーニで別荘に戻ってきた。しかし、顾宁の別荘に明かりが付いているのを見て、曹文馨は一瞬驚き、自分の目を疑ったが、間違いではなかった。

なんてこと、顾宁のやつ、海市に来ていたのに知らせもしないなんて、本当に薄情者だ。

曹文馨は急いで車を停め、怒り心頭で顾宁の別荘に向かった。このガキを絶対に懲らしめてやらなければならない。

玄関に着くと、インターホンを押した。

「寧寧、誰かしら？」顾蔓は不思議そうに尋ねた。こんな遅くに、誰が来るのだろう！

「唐おばさんの娘の曹文馨よ。隣の別荘に住んでるの。きっと明かりが付いてるのを見て、私が来てるって分かって、訪ねてきたんでしょう」顾宁は推測するまでもなく、曹文馨だと分かっていた。