第532章 取締役会長の再選?

彼らは無配当株主に過ぎないが、それでも発言権を持っている。

どこにでも残党はいるもので、『唐皇グループ』も例外ではない。

唐雲帆の厳しい手腕の下で『唐皇グループ』は非常に良く発展し、グループの発展には内部の団結が欠かせないが、団結の一方で野心家の存在は避けられない。

そのため、『唐皇グループ』の取締役会には、唐雲帆の地位を奪おうとする野心家がいた。唐雲帆が昏睡状態に陥ったと聞くや、チャンスとばかりに騒ぎ始めた。

彼らは、唐海峰は年を取り過ぎて管理能力がなく、唐家には唐雲航以外にビジネスができる人材がいないため、唐雲帆に何かあれば、この会長の座は取締役会のメンバーの手に落ちるしかないと考えていた。

しかし、唐海峰の出現は、多くの人々を驚かせた。

彼らには、唐海峰がこれほど健康であるとは想像もできなかった。何もできない老人だと思っていたのに!

さらに、以前は唐海峰が心臓病を患っており、唐雲帆の件でショックを受けて寝込んでいるという噂があったため、野心家たちは行動を起こす勇気を持ったのだ。

唐海峰は長年グループの経営に関与していなかったが、グループ内での彼の地位は依然として重要であり、皆が彼を恐れていた。

そのため、唐海峰が現れると、不穏な動きをしていた取締役たちは大いに慎重になった。

もちろん、慎重になっただけで、計画を諦めることはありえなかった。

広々とした会議室で、唐海峰は会長の席に座り、威厳のある表情で、鋭い気質を漂わせながら、鋭い目つきで出席している取締役たちを見渡し、皆に圧力を感じさせた。

「おじいさん、国は一日も君主なしでは立ち行かず、グループも一日も主なしでは立ち行かないと言います。会長が今昏睡状態で、私たちには指揮を執る者がいません。そこで、新しい会長を選出することを提案します」と話したのは、グループの第四大株主で、唐家の傍系である唐德明だった。

唐家の事業は元々家族企業で、そのため株主の中には何人かの唐家の人間がいたが、みな傍系だった。

唐海峰はもう役職に就いていないため、取締役たちは彼を「おじいさん」と呼んでいた。

「その通りです。もし競合他社が我々のグループに指揮を執る者がいないことを知れば、必ずや我々のグループに付け込んでくるでしょう」と第七取締役の付開餘が同調した。