第571章 顾蔓を迎えに行く

すると唐雲帆は見つかったと聞いて、詳しく尋ねる余裕もなく、とにかく顾蔓に会いたい一心だった。

そして、唐雲帆はその場で車を置いて冷少霆の車に乗り込み、全明楷に電話して車を移動させるよう頼んだ。

唐雲帆からの電話を受けた全明楷は驚きのあまり、しばらく呆然としていたが、反応したときには既に電話は切れていた。幸い、驚きながらも彼の言葉はしっかりと聞き取れていた。

電話を掛け直すことはせず、全明楷は急いで唐雲帆の車を移動しに向かった。

しばらくして、唐雲帆はようやくそこに第三者がいることに気付いた。

「寧寧、この方は?」と唐雲帆は尋ねた。

「私の友達で、冷少霆という人よ」と顾寧は言ったが、彼氏だとは紹介しなかった。

「唐さん、はじめまして」と冷少霆は率先して挨拶した。将来の義父に対して、できる限り丁寧に接するのは当然だった。