第552章 彼女に目をつけた

「はい」顾宁は答えて、倉庫へ向かった。

歩きながら、顾宁は中の様子を透視してみた。もし中で何か見られない光景があれば、冷少霆と彼女が入って見てしまうと、まずいことになる。

相手を困らせるだけでなく、彼女も嫉妬してしまうだろう。

「コンコン」顾宁は倉庫のドアをノックした。「私です、顾宁です。」

「入って、鍵はかかってないわ」中から餘姿の声が聞こえ、顾宁はドアを開けて入った。

倉庫は約10平方メートルほどで、ここは餘姿の作業場だった。壁一面にドレスが掛けられ、まだ完成していないドレスを着せたマネキンが数体あった。

片側にはミシンと作業台があり、作業台の上には針や糸、はさみなどの道具が置かれていて、全て餘姿が服を作るために使うものだった。

「社長、いらっしゃいませ」餘姿は顾宁を見て、熱心に挨拶した。