第558章 童佳瑤

しかし、彼らが車から降りた時、後ろにも車が止まり、誰かが降りてきた。偶然にも、それは曹文馨の知人、方小可だった。かつて金持ちの家に嫁ぐために曹文馨に近づこうとした女性だ。

方小可は中年の男性の腕を組んでいた。一目見ただけで、状況は明らかだった。

間違いなく、方小可はこの中年男性の愛人になっていたのだ。

本当にお金のためなら、体も魂も売り渡すような女だったのだ!

方小可は曹文馨を見かけた時、最初は驚いた。ここで曹文馨に会うとは思わなかったのだ。そして居心地の悪さを感じ、すぐに顔をそむけ、知らない振りをした。

曹文馨も方小可に構う気分ではなかったので、同じように知らない振りをした。

「ふん、この方小可、相変わらず虚栄心の塊ね!私の兄を騙せなかったから、今度は年配の男性を見つけて、愛人になったのね」方小可たちと離れた後、曹文馨は我慢できずに毒づいた。とても嫌悪感を感じていた。

以前の自分はなんて目が曇っていたのだろう。彼女を見誤っていたなんて!

すぐにスポーツレジャー区域に到着した。

数人が大広間に入ると、「いらっしゃいませ」という歓迎の声が聞こえた。

そして、ウェイターが来て尋ねた。「お客様は、どなたかをお探しでしょうか?」

個室は満室だったので、彼らが個室を予約しているはずはなかった。

「はい、888号室です。曹文馨と伝えてください」と曹文馨は言った。

訪問者であっても、個室を予約した人と確認を取る必要があり、確認が取れてから入室できる。誰でも自由に入れるわけではなかった。

「少々お待ちください」とウェイターは言い、すぐにトランシーバーを取り出し、888号室の個室管理人を呼び出した。個室管理人はその個室専属のサービス担当者だ。

応答を受けた後、ウェイターはすぐに顾宁たちを888号室へと案内した。

個室はとても広かったが、5人しかおらず、一見すると寂しく感じられた。しかし、実際には寂しい雰囲気ではなかった。皆が談笑しており、空間は広くても雰囲気は良かった。

個室の5人は3人の女性と2人の男性で、曹文馨の友人は男女1人ずつで、他の3人は彼らが連れてきた友人だった。

もちろん、曹文馨とも面識はあったが、関係は普通程度だった。