第568章 唐雲帆が目覚めた

顾寧には理解できなかった。なぜ彼らは顾蔓を誘拐する必要があったのか。顾蔓は海市に来たばかりで、唐家か別荘にいるだけで、誰かを怒らせるようなことはなかったはずだ!

それとも、彼女は何かを見落としていたのだろうか?

唐家の事情についてよく知らなかったため、唐家が原因である可能性を考えることもなく、推測する時間もなかった。

この小道は長く、冷少霆がここから約10分走って大通りに出たところで、その交差点には監視カメラがあった。

冷少霆はすぐに電話をかけた。「ある場所の監視カメラを調べてくれ。過去2時間以内に通過した車両を全て確認し、ナンバープレートから所有者を特定してくれ。電話を切ったら位置情報を送る」

冷少霆はここがどこなのか分からなかったので、直接携帯電話の位置情報を送ることにした。そうすれば地理的位置もより正確になる。

電話を切った後、冷少霆はすぐに相手に位置情報を送り、それから顾寧に電話をかけてこちらの状況を伝えた。

「そこで待っていて、答えが出たら追跡を続けて。私はまだ何も見つかっていないから、探し続けるわ」と顾寧は言った。冷少霆の方は調査できるだけで、まだ手がかりは見つかっていないので、彼女の方は諦めるわけにはいかなかった。

「分かった、気をつけろよ。何かあったらすぐに連絡してくれ」冷少霆は顾寧の身の安全を心配していたが、別々に捜査せざるを得なかった。

「分かった」と顾寧は答え、電話を切った。

そして顾寧はどんどん人里離れた場所へと向かい、周りには村さえなかったが、引き返す様子は見せず、道に沿ってどんどん遠くへと進んでいった。

約20分後、冷少霆はそちらからの連絡を受けた。この交差点の監視カメラは午後6時頃に破壊されており、この交差点の両側の道路の監視カメラの映像しか調べられないとのことだった。

この2時間以内にこの道路を通過した車両は合計116台で、ナンバープレートの情報(人物と車種)と車両の通過時刻が彼のメールボックスに送られてきた。

「これらの車両の行方を追跡し続けて、異常がないか確認してくれ」と冷少霆は言った。これらの車両の情報を得ても、どの車両に問題があるのか分からなかったからだ。