唐雲帆は、もう十二時なのに、冷少霆という男性がまだ顧寧のところにいるのは不適切だと感じたが、先ほど一緒に顧蔓を探してくれたことを思い出し、深く考えないことにした。
「少霆兄さん、唐おじさんを唐家まで送ってあげてください」と顧寧が言った。
「わかった」と冷少霆が答え、すぐに立ち上がった。
「ご迷惑をおかけします」と唐雲帆が丁寧に言った。
「いいえ、どういたしまして」と冷少霆が丁寧に返答した。
そして、冷少霆は唐雲帆を送っていった。
道中、二人はほとんど会話を交わさなかった。唐雲帆は他人の情報を詮索するのが好きではなかったからだ。相手が顧寧の友人であり、詮索すれば顧寧を困らせることになるからだった。
ただし、相手が顧寧の彼氏であれば、詮索せざるを得なかっただろう。
もちろん、彼は冷少霆が顧寧の彼氏だとは知らなかった。彼の目には、顧寧はまだ子供でしかなく、恋愛なんてするはずがないと思っていたので、そんなことは考えもしなかった。
道中、唐雲帆は唐海峰から電話を受け、いつ帰ってくるのかと尋ねられた。唐雲帆が既に帰り道だと答えたので、元々休もうとしていた唐海峰たちは待つことにした。
事態がまだ解明されていなかったため、彼らは落ち着いて休むこともできなかった。
冷少霆は唐雲帆を唐家まで送り届けると、車から降りることもなくすぐに立ち去った。
夜勤のウェイターたちは既に唐海峰から警告を受けており、唐雲帆が目覚めたことは絶対に口外してはならず、唐家の他の人にも許可されていなかった。もし発覚すれば、厳重な処分を受けることになっていた。
前回の唐雲帆の昏睡状態が漏洩した件と、今回の顧蔓と顧寧の件で情報が漏れた犯人はまだ見つかっておらず、今回はより一層慎重にする必要があった。
錢東は信子が唐雲帆の昏睡状態を密告したことだけを知っていた。今回の顧蔓が捕まった理由については知らず、それが信子と関係があるのかどうかも分からず、ただ顧蔓が誰かの怒りを買っただけだと思っていた。
居間には、唐海峰、唐雲帆夫妻、曹銳華夫妻、そして曹文俊と曹文馨の兄妹がいた。唐雲帆が戻ってくるのを見て、唐海峰は急いで尋ねた。「どうだった?」
「書斎で話そう」と唐雲帆は言いながら、直接階段を上がっていった。居間に部外者はいなかったが、やはり書斎の方が安全だった。