第624章 絶対に自分を傷つけない

冷少霆は顾宁のことがとても恋しく、一刻も早く会いたくて、任務が終わるとすぐに急いで戻ってきた。顾宁に会って、この恋しさを癒したかったのだ……

そして、冷少霆は待ちきれずに、すぐに階段を上がって顾宁を抱きしめた……

「寧寧、会いたかった……」冷少霆は顾宁の耳元で愛情を込めて囁いた。温かい息が顾宁の耳に触れ、彼女はくすぐったさを感じた。

顾宁は腕を伸ばし、冷少霆の首に回して、愛情たっぷりの眼差しで見つめながら、可愛らしく微笑んだ。「少霆、私も会いたかった……」

「どれくらい？」冷少霆は声を荒げながら尋ねた。

「とても、とても、とても……」顾宁は答えた。何度も「とても」を繰り返したが、どれだけ言っても彼女の思いを十分に表現できないと感じた。既に骨の髄まで染みついていて、抜け出せないほどだった。

二人は部屋に戻り、そして……

事を始めようとした時、顾宁は突然、冷少霆の胸に傷跡を見つけて、驚いて固まってしまった……

彼女ははっきりと覚えていた。この傷は以前にはなかったものだ。傷跡は薄くなっていて、古傷のように見えたが、顾宁にはこれが新しい傷だとわかった……

顾宁は何も言わず、ただ呆然と冷少霆の傷跡を見つめ、そして、涙を流した……

彼女の心は痛く、苦しかった。

顾宁が自分の傷跡を見つめているのを見て、冷少霆は隠しきれなくなったことを悟った。

そして顾宁が泣き出すのを見て、冷少霆は慌てて慰めた。「寧寧、泣かないで、もう大丈夫だから、本当に大丈夫だから……」

顾宁が冷少霆の前で初めて泣いたので、冷少霆は戸惑ってしまった。彼は人を慰めた経験がなく、どう慰めればいいのかわからず、ただ急いで顾宁の涙を拭うことしかできなかった……

顾宁はまだ何も言わなかった。彼女は冷少霆の仕事の性質を知っていた。危険が多く、怪我は避けられないし、止めることもできない。

だからこそ、彼女は冷少霆のために霊気結晶を用意したのではないか？

しかし、彼が怪我をすることは受け入れられなかった。

顾宁は想像したくなかった。もし彼に霊気結晶を渡していなかったら、あるいは渡した霊気結晶を使い切っていたら、どんな結果になっていたのか……

しかも、冷少霆が撃たれたのは胸部だった……なんて危険な場所だろう！