第651章 あまりにも非情だ

これらについて、顾宁は知らなかったが、きっと誰かが撮影してネットに投稿するだろうと思っていた。でも、もう気にしないことにした。

顾宁と冷少霆は十時十数分に別荘を出発したが、予期せぬ出来事があったため、ホテルに着いたのは十二時になっていた。

「どうしてこんなに時間がかかったの?」と曹文馨は尋ねた。文句を言うわけではなく、ただ何か問題があったのではないかと心配していただけだ。

曹文馨は最初、渋滞だと思っていたが、渋滞でも1時間以上もかかるはずがないだろう!

「他のことで時間を取られてしまって」と顾宁は説明せずに言い、曹文馨もそれ以上は聞かなかった。来てくれただけでよかったのだ。

彼らの飛行機は一時五十分発なので、急いで食事を済ませ、できれば一時二十分までに空港に到着する必要があった。

時間に追われていたため、みんな食事のスピードを上げ、十二時半前には済ませて出発した。

空港まで五十分の時間があり、通常なら三十分程度で着くのだが、この時間帯に途中で渋滞に巻き込まれないとも限らない!そのため、彼らの時間はかなり切迫していた。

案の定、道中で少し渋滞があり、赤信号も多く、結局一時二十分頃に空港に到着した。

冷少霆が運転していた車は盛世グループのもので、駐車場に停めて部下に回送してもらうことにした。

冷少霆たち四人の美男美女は多くの人々の注目を集めたが、二組のカップルに見えたため、女性たちも誘惑を試みることはなかった。

搭乗前、邢北は徐景琛から電話を受け、どこにいるのか聞かれた。

邢北が空港にいて顾宁や冷少霆たちと海市に行くと言うと、徐景琛は激怒した:「海市に行くのに俺に言わないなんて、ひどすぎるだろ。」

「来たいなら来ればいいじゃないか、今からもう搭乗するところだけど。」と邢北は言った。彼は曹文馨のことばかり考えていて、徐景琛のことなど忘れていたのだ!

やはり、冷少霆だけでなく、友情よりも恋愛を優先する人がいるものだ。

「そういえば、司銘も海市にいるよね!」と邢北はようやく思い出した。任務が完了するとすぐに、司銘は海市へ仇雨昕を探しに行っていた。

本当に、みんな友情よりも恋愛を優先するものだ。